ご覧いただき有難うございます。
先日、阿弥陀三尊佛のお軸を修復する機会をいただきました。
本紙はかなり古く傷み、床の間に飾ることが出来ないほどの状態でした。
パズルのピースのように今にもバラバラになりそうな本紙を慎重に扱いながら修復を行なった過程をご紹介いたします。
本紙がこれ以上傷まないよう表から養生しながら裏打紙を除去します。
↓
裏打ち紙除去すると本紙の裏から刷毛で茶色に染めていた形跡が出てきました。
修理する過程で過去の仕事や技法に触れることが出来ます。
↓ 次に新たに裏打ちをしていきます。
↓ 裏からライトを当てると多くの裂け目や折れの箇所がはっきりと分かります。
細く切った和紙を裏から一箇所ずつ貼って補強していきます。
「折れ伏せ」という作業です。
その後3度目の裏打ちを行い仕上げていきます。
そして完成になります。
落ち着いた雰囲気に仕上がるよう時代の経った古い裂地を使用しました。
作品の傷んで欠損した部分は和紙で補い着色することで目立たなくなるようにしています。
今回修復させていただく中で過去の修復の様子なども伺うことができた一方で、これだけ傷み修復不可能かと思われた作品を蘇らすことが出来、安堵しております。
この度の経験をまた次の仕事にも活かして頑張っていきたいと思います。
ここまで読んでいただき有難うございました。