この度、650年という長い歴史が続く蓮華禅寺(富山市)様よりご依頼頂き、涅槃図の修復に携わらせて頂きました。
幅約2メートル、高さ約3メートルという大きな作品のため作業スペースや人手を要するプロジェクトになりました。
預かり時の作品は特に折れのダメージが大きい状態でした。
古い裏打ち紙を少しずつ時間をかけ除去します。
折れていた部分へ「折れ伏せ」という作業を行います。
一度折れた部分は再び折れやすいです。下からライトの光を当て、折れや裂けている部分に細く切った和紙を1本ずつ貼っていきます。
とても時間のかかる根気のいる作業です。
【補彩】
作品が欠損し無くなった部分へ和紙を補い、色を塗ります。
文字や絵を描いたりすることはせず周りに馴染む基調色を塗ります。
裏打ちは二人作業です。
しっかり打ち刷毛で叩いて密着させます。
仮張りにしっかり張り込んで乾燥させます。
無事仕上がり納品となりました。
2024年3月12日
納品と共にお寺の住職様をはじめ檀家の皆様の前で修復工程などの説明をさせて頂きました。
大きなプロジェクトを終えひとまずホッとしております。
今回の経験を糧にこれからも精進して参ります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。